東京は(電気が)明るい。

 先日日本国籍を取得したドナルド・キーン氏の言葉だ。

「日本人は力を合わせて東北の人を助けると思っていました」

「東京は(電気が)明るい。必要のない看板がたくさんある。東京だけではない。忘れているんじゃないか。まだやるべきことは、いっぱいあると思います」

去年の夏、自分が大阪で感じたことを思い出した。

 ドアを開けっ放しにしてクーラーをかけているお店。節電しているにしては寒すぎるスーパーなどの店内や地下鉄、バス。あれほど被災者が必要としていたガソリンを気にすることなくエンジンをかけっぱなしにしている車。

そしてきらびやかなネオン。震災から半年もたっておらず、ボランティアに走り回ったり、募金を続けたりしている人たちが数多くいる中で。恥ずかしかった。

 消費することがステータスだという考えは捨てなければならない。

ネオンがきらびやかなら景気がよく見えるとか宣伝になるとかいうのはバカにされなければならない時代が来る。いや来させないといけない。家庭と業務で使う エネルギーが全体の約50%を占める日本の電力消費量。脱原発は可能だが私たちがこのままの生活を続け、夏は凍え、冬は汗をかくほどエネルギーを消費しな いと気が済まないのなら脱原発は不可能であるし、東日本大震災を忘れていると言われても反論できないだろう。

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