極右政党NPDを禁止するチャンスがやってきた?
元NPD幹部だったヴォール・レーベン容疑者は29日火曜日、ツヴッカウのネオナチトリオ*を支援し、6件の殺人、1件の殺人未遂を幇助した疑いで 逮捕された。このことが極右政党NPD(ドイツ国家民主党)を禁止する機会だと見られている、とシュピーゲル誌が報じている。
NPDの活動を禁止させようという動きが強まる中、懐疑的な見方をする専門家もいる。NPD禁止法案は2003年に一度失敗しており、当時問題であった NPDにおける連邦憲法擁護庁の捜査官の実態は今も変わっておらず、そのことがNPD禁止に対し連邦憲法議会で不利に働く、と憲法学者のクリスチアン・キ ルヒベルクは懸念する。
ツヴッカウ事件が単独グループの犯行なのか、大きなネットワークのなかの一部の犯行なのか、捜査はまだ続いている。
*1998年にNPU(国家社会主義地下組織)を結成。98年にパイプ爆弾、爆薬、ネオナチ宣伝資料の所持で逮捕状が出されたあと、行方をくらましてい た。12年間で9件もの外国人連続殺人事件、1件の警察官殺害事件を起し、2004年にはケルンでトルコ人の店を狙った爆弾テロを起こした。ウヴェ・ボー ンハルドとウヴェ・ムントロスは強盗事件を起こした後自殺、ベアテ・チェペは逮捕された。
参考
http://www.spiegel.de/politik/deutschland/0,1518,800969,00.html
http://www.stern.de/panorama/rechte-terrorgruppe-nsu-die-moerder-aus-dem-untergrund-1751032.html
ネオナチの集会が行われるとわかると住民たちが反対デモを行い、ネオナチの集団が駅から出られなくなることもある。ナチス独裁、ホロコーストの経験からナオナチのテーマには敏感なドイツ。
そのドイツで12年もの間なぜ彼らが逮捕されることなく犯行を続けられたのか。他にも犯行を助けた人間はいないのか?もっと大きなネットワークがバックにあるのではないか?少しづつ真実が明かされるなか、毎日ドイツのメディアで話題になっている。