ベルリン市議会選挙において、平均年齢31歳の若き海賊たちが得票率なんと、8,9%を獲得した。
報道陣の前に並ぶ党員たちは若々しく新鮮で、ジャケットにジーンズもいればパーカーや、オーバーオールにバンダナ姿のものまで。
「20年間これが仕事着ですし、隠す必要もないでしょう。」
さらっとトークショーで発言する彼らはどこにでもいる若者そのもの。
あ、なんかあいつに似てるぞ。と親近感まで沸いてくる。
かといって遊び半分で集まったにーちゃんたち、というわけではなさそう。
彼らが目指すのは「透明な」政治、市民から見える政治だ。
つまり政治活動をすべて市民に公開することで市民と共に発言し、共に選択することを可能にする。ウェブサイトやTwitterを駆使して自分たちの情報発信し、市民からの発言に耳を傾けている。
力を入れている 問題の一つがインターネット。いかにも若者らしい、と思われるかもしれないけれど、ネット社会と言われる今、当然扱われるべきで隅に寄せられてきた問題だ と思うのは私だけだろうか。個人情報の流出は特に危機的で、パソコン一台と少しの知識でどんな個人情報も盗んだり、偽の情報に書き換えてしまったりという ことが可能だ、といっても過言ではないはず。
大多数の人が仕事、またはプライベートでインターネットを使う今、この問題に着眼した点は他の政治家たちの表情や発言から「くっそー、そこか!」といった印象すら見受けられる。
もう一つ、うんうんと私が頷いたのが「オープンアクセス」。
国のお金で、ま たは要求によって行われた研究や調査など結果はすべて公開されるべきだ、というもの。それらの研究者や著者は国のお金、つまり税金から報酬を得ているわけ であって、その情報は納税者である国民が共有できるものだ、という主張だ。その内容のどんな些細な部分も隠蔽されてはならない!ここが味噌。
日本でも是非この「オープンアクセス」を掲げていただきたい。
公開される情報のどこからどこまでが真実で、どのくらい非公開情報があるのか、疑いを持っている人は少なくないはず。これが日本でも現実になれば東大教授が会見で涙する、なんて自体は起こらないはず。
おそらく、今まで議席を獲得してきた政党や、
長年政治活動をしている先輩政治家からしたら
「政治をなめるな。」「議席を獲得し続けるわけない。」
「他にも問題は山積みだぞ。」
という印象もあると思う。そんな匂いがおじ様、おば様たちの顔面からプンプン匂う。
でも、今まで投票していなかった市民23000人を投票所に向かわせたのは
「この人たちとなら話をしてみたい!」
と思わせた海賊たちの魅力だと言える。
そして市民と身近にコミュニケーションをとりあえる政治家、「透明な」政治が必要なのはドイツだけではないと思う。